テトラヒメナ症
症状
原因
テトラヒメナ(Tetrahymena corlissi )と呼ばれる寄生虫が原因です。白化した患部を顕微鏡で観察すると、ラグビーボールのような形をした寄生虫が多数認められます。このテトラヒメナは、最初は体表に寄生していますが、やがて筋肉を経て内臓にまで侵入します。東南アジアのグッピー養殖池では、大量斃死することが知られています。
テトラヒメナの繁殖能力は高く、病魚に寄生したテトラヒメナ群体の一部が魚体を離れ水中を浮遊した後、他の健康な魚に寄生します。患部が白く見えるのは、テトラヒメナにより寄生部位の細胞が壊死したためです。大量のテトラヒメナが集まって白くみえる場合もあります。
対策
テトラヒメナが寄生した魚に対して有効な治療方法はありません。そのため別名「グッピーキラー」とも呼ばれています。しかし、水中を浮遊するテトラヒメナは、二酸化塩素で駆虫することができます。グッピーの輸出国であるシンガポールの研究者は、グッピーを輸送するときに、あらかじめ二酸化塩素を投薬することで輸送中のストレスによる本病の発生を食い止めることができると発表しています。
本病の対策としては、何よりも疑わしい魚は持ち込まないこと、発生した場合は病魚を隔離し他の魚への感染を食い止めることが重要です。