たいせつな観賞魚の病気を知る・薬品をさがす。

白点病

症状

体表やヒレの白点・粘液の過剰分泌

初期では白点がポツポツとみられる程度ですが、重症になると体全面に白点がみられます。また、体をこすりつける、呼吸(鰓蓋の動き)が速くなる、水槽の底に沈んで動かないというような行動がみられることもあります。

原因

白点虫(はくてんちゅう)と呼ばれる(Ichthyophthirius multifiliis)の寄生によるものです。
新しく魚や水草を導入した際に一緒に持ち込んでしまい発生するケースが多いです。
白点虫は魚体に付着しているように見えますが、実際には透明な上皮内に寄生し、魚の細胞や体液を摂取しています。

白点虫の生活環

魚体から栄養を摂取して成熟した白点虫は魚体から離れます。水中に出た白点虫は水槽のガラス面や砂利、ソイルなどの上でシストと呼ばれるゼラチン状の膜を形成し、シスト内で細胞分裂を繰り返して数百~数千の仔虫を産生します。産生された仔虫はシストから水中出て、再び魚に寄生します。このライフサイクルが一巡するのに要する日数や産生される仔虫の数は水温によって異なり、一般的に水温が高いときはサイクル期間が短く、産生される仔虫の数は多くなります。例えば水温が約20℃の場合、1週間程で一巡します。白点病が驚異なのは、魚体から離れた成熟虫がシストを形成して仔虫を放出するまでが短時間であることです。すなわち、1匹の成熟虫が24時間以内に数百~数千倍の仔虫に増殖します。

対策

白点病の治療は、仔虫とシスト形成前の魚から離脱した成熟虫を駆虫することを目的に行います。
治療方法としては水を1/2~1/3程度取り替え、対象の薬品で薬浴します。これら薬品に含まれる色素剤は、水をブルーまたは、グリーンに着色させます(グリーンFクリアーは着色しません)。しかし、薬効が無くなるに従い水の色は淡くなります。その状態でまだ完全に治療できない場合は、水を1/2~1/3程度取り替えてから、再度投薬してください。

体の白点が消えても、まだ目に見えない仔虫が寄生している場合があるので、油断せずに数日は様子をみてください。また、水温を上げることも有効です(26~28℃程度)。白点虫のライフサイクル期間が短くなり、薬効が高まります。
ただし、急激な水温変化は魚にとってストレスになるため、水温を上げる場合はヒーターを使って徐々に行ってください。
重症化すると治療が難しくなりますので早期発見、早期治療を心掛けてください。

対応薬品

グリーンFグリーンFリキッドグリーンFクリアーアグテンアグテンパウダーメチレンブルー水溶液

薬品名 薬効期間
グリーンF 5~7 日
グリーンFリキッド
メチレンブルー
グリーンFクリアー 10~14 日
アグテン 2~3 日
アグテンパウダー
ページの先頭へ